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お気に入りのお店をめぐる休日 ~三島~ Vol.02


三島市の中心を流れる源兵衛川のせせらぎを眺めるウッドデッキがあるディレッタントカフェへは、お友だちや家族とよく行くという恭子さん。
「お店の雰囲気も素晴らしいけれど、最近、器使いのセンス、お料理がどんどんパワーアップしている!」と、おすすめです。
気持ちのいい風が吹き抜ける天井の高い店内の平面には、オーナーの四宮さんが国内外を旅して出会ったというアンティーク雑貨や皿、ドライフラワーなどが自由に飾られています。
居心地がよくおしゃれな空間で食事やワインを楽しむ人たちの穏やかな話し声が音楽のようにあふれ、いつも賑わっているのもうなずけるお店です。



この日、いただいたのは、ディナーのアラカルトメニュー。
お魚の前菜盛り合わせとお肉の前菜の盛り合わせが、それぞれ2プレートずつ出される人気メニューです。
まず最初に出てきたのはお魚の前菜 その1。
ちょっと懐かしいようなガラスの大皿に真鯛や鯵など旬の魚を使った前菜4種の盛り合わせです。
続いてお魚の前菜 その2は、ヒマラヤのピンク岩塩にも見えた赤褐色の石のプレートに並べられたサザエのガーリックバター焼き。
よく冷えたビールを合わせた恭子さんも美味しそうに食事を楽しみます。
「最初のガラスの大皿。昔、おばあちゃんのお家にあったような懐かしい感じのものに、前菜を盛り合わせるっていうセンスがすごいですよね。」
サザエを盛りつけた石は、どこのものなのか質問した恭子さん。
すると、カウンターの奥から、石屋さんで見つけました……と、はにかみながら答えたのは、オーナーの四宮さんです。
「どこかの石の作家さんのものかと思えるくらい素敵。」
なるほど、器使いがパワーアップしている、というのは、この辺のセンスなんですね。



お肉の前菜盛り合わせ~その1~は、ワイルドな木のプレートに彩り鮮やかな前菜4種が並びます。
この木のプレートの作家さんは? と編集部がお聞きすると、ホームセンターです、と事もなげに答える四宮さん。 すると恭子さんは、
「以前、そうお聞きしたので、実は私もホームセンターに木の板を探しに行ったんです。でも、やっぱり気に入ったものが見つからなくて。四宮さんのセンスの良さを思い知りました」
ホームセンターで木の板を探す恭子さん。想像するだけで、ちょっと可愛いです。
お肉の前菜 その2は、小さな岩の小山に高山植物がところどころに咲くように盛りつけられた前菜2種。
もしかして、この岩山のプレートも、石屋さんで見つけたんですか? の問いに、四宮さんは料理をしながら困ったように笑いってうなずくばかり。
よく見れば、カウンターには、板や石のプレートが重ねておいてありました。



最初は、カフェのみの営業だったというこちらのお店。
いろいろなお店のレシピを調べたりして独学で学んだというお料理を少しずつ出すようになり、現在のスタイルに落ち着いたのだそうです。
もともと溶接の仕事もしていたという四宮さんは、現在も仲間数人とユニットを組んでアイアンなどの作品を製作。店内のあちこちに作品がさりげなく飾られています。
お店で使われている器は、アンティークの器などですか? と質問すると、
「アンティークっていう言葉が、個人的にちょっと重いかなと思っていて。うちでは、ものすごいアンティークのものあるし、そこまででもない器も、あえて混ぜて使っています。古いっていうだけでスゴイみたいなのは、ちょっと馴染めなくて。」
名のあるヴィンテージ食器も石屋さんで見つけた石片も、そこに用の美を感じれば、料理を盛りつける舞台として等しく扱う四宮さんの自由さが、このお店の居心地の良さに通じているのかもしれません。

#dilettante café
三島市一番町1-1
月・火曜休み
営業:11:30~14:00/18:00~21:30
℡055-972-3572
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