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編集部が行く!〜awatenvouさんのランチへ出かけた編〜

【awatenvouさんのランチへ出かけた編】

●カサカサを乗り越えて

「信じる者は救われる」という格言がある。
「人を見たら泥棒と思え」ということわざもある。
どちらも正解。
どちらの世界に住みたいですか、と聞かれれば、前者の世界のほうがピースフルだと思うものの、いや待て。用心にこしたことはない、と先人たちの知恵なることわざも手離せない。

まして、目に見えない新型ウィルスが世界にはびこり、行動の自粛が叫ばれ、いまだにソーシャルディスタンスでマスク生活が続いている昨今である。
マスクで顔の下半分がカサカサ、心までカサカサ&ギスギス、そしてヘトヘト。

ほぼ野生の勘と瞬発力と能天気さで乗りきってきたfika+編集部も、ここ数か月、お出かけゼロ回。集合も1~2回。正直に言えば、いろんな意味でカサカサだった。

そんな折、これまで、毎回、fika+を店頭に置いてくださっているawatenvouさんが、ランチと夜ごはんを復活されたことを知り、久しぶりに3人で集合することになった。
カサカサ生活にあって、Happyなニュースに心が躍った。


●ひさびさの待ち合わせ

白壁と木枠のガラス戸がシンプルな佇まいをみせるawatenvouさん。
これまで週末にカフェと雑貨販売のみの営業だったが、9月下旬から久しぶりにランチ&夜ごはんが復活した。
伺った日のランチは前菜盛り合わせのプレート、スープ、メインは2種類のパスタから選択。
トマトソースかオイルソースの選択に、珍しく3人とも気が合ってオイルソースのパスタをチョイスした。
これにドリンクがつき、オプションでスイーツもつけられる。
笑顔の素敵な店主の冨岡まさよさんが厨房に入り、もう一人のスタッフの人とふたりで次々に来店するお客様たちに対応している。そのため、時間に余裕をもって来店してください、とお店のSNSでもきちんと周知されていた。
大丈夫。
久しぶりに会う私たち3人には話したいことが山ほどあり、そこそこの時間も用意し、なおかつ事前にランチの予約をして出かけたのだ。
いつもの編集部ならば、突撃!となりの晩ごはん並みに急襲するのが芸風ではあるが、昨今の時世を考えて、きちんとした行動を心がけた。エヘン!

待ち合わせたお店で久しぶりに顔を合わせれば、カサカサした心は、瞬間で吹き飛んだ。

久しぶりに会う近藤は、テレビ番組でタレントさんがするような口元のみ覆う透明のマウスガードをしていた。
久しぶりに会えた嬉しさが勝って、いったん、そのマウスガードの件は棚に上げておいたが、
なんてことない会話を交わしながら、会えて嬉しい気持ちが落ち着いてくるのと反比例して、なぜ使い捨てマスクとかではなくマウスガードなのだ?とか、テレビのタレントさん以外でマウスガードしているのを見たのって、誰だったっけ?とか、ペコ吉の心の中は、少なからず、ざわついていた。
(後で聞いたところ、お仕事柄、きちんと表情が見えたほうが良いという判断から使っているのだそうだ。山奥で暮らすペコ吉にとって、初めて間近で見るマウスガードだった…)


●Pure soul SUZUKI!

オーダーを済ませ、ひと通り「お久しぶり」「元気だった?」的な会話も落ち着いたころ、編集長スズキの剛速球が数か月ぶりに放たれた。
そのきっかけとなったのは、ビューティ近藤が、いかんなくそのビューティパワーを炸裂させ、編集長スズキとペコ吉に、オリジナルのフェイススプレーをプレゼントしてくれたことに端を発する。

「フランキンセスとゼラニウムのフェイススプレー♡、ふたりにプレゼント♪」
「フ、フランク建設とゼラニウム??」(ペコ吉)
「ちがう、フランキンセス」(スズキ)
ビューティ近藤ではなく、編集長スズキに瞬殺されたことに、ほんの少しだけ驚いたペコ吉だったが、とにもかくにも、そこから話題は「香り」へと移り、ビューティ近藤は、こだわりの香水選びのために、両手首と両腕の肘の内側の計4カ所に候補の香水をつけ、最初の香り、少し時間がたってからの香り、そしてだいぶ時間がたってからの香りをかいで、どの香水にするか決めるのだと話していた。4カ所で足りなければ、膝につけるのだとも言った。

香水とは、海外旅行のお土産でいただいたもので大満足のペコ吉には、「すごいー」しか、返す言葉がなかった。
ペコ吉より、だいぶ女子力の高い編集長スズキは、「この間、この香水をネットで注文したんだ!」と嬉しそうにスマホの画面を見せてくれた。

「金木犀の香りだよ♪」(スズキ、満面の笑み)
「…………」
その瞬間、ビューティ近藤はもとより、女子力欠乏症のペコ吉でさえ、聞き返していた。
「き、きんもくせい?」(二人)

「そう。この香水をつけると、歩く金木犀みたいなんだって♬」(スズキ)

どうです。歩く金木犀、というフレーズ。なかなかの破壊力です。
いっさい香りをかぐことなく、セールスワードと、その商品を購入した人たちのクチコミコメントを見て、これだ!と確信したスズキは、迷わずポチッとしたのだそうだ。

少し前、スズキはシャネルのハンドクリームを買うかどうか、だいぶ迷っていた。
正確に言えば、結局、いまだに購入していない。
シャネルのラインナップならば、ブランドの確かさと、ある程度の香りのイメージは、女子力欠乏症のペコ吉でさえ想像でき得る。
そのシャネルを脇へおいて、スズキは歩く金木犀を手に入れたのだ。

もう一回、言う。まったく香りをかぐことなく、「歩く金木犀」な香水を買ったのである。

シトラス系とか、ローズ系とか、ストライクゾーンの間口が広めなものではなく、金木犀というチャレンジングなゾーンを、そこそこのお値段にも関わらずスズキは選んだ。

キンモクセイの香りは、一歩間違えれば、トイレの芳香剤になりかねないのではないか。
いったん、トイレの芳香剤と想像してしまったら最後、ペコ吉の頭の中では、
「♪さわやかサワデ~♬」のリフレインが止まらなくなってしまった。

ペコ吉がまだ小学生だった頃に発売されたトイレの芳香剤サワデー キンモクセイの香り。
当時、トイレの芳香剤といえば、ネットみたいなのに入った白とかピンクとかの丸い球状のもの、と、日本全国、ほぼ同じだった時代に一撃を与えたトイレのサワデー キンモクセイの香り。
新時代の幕開けを予感させるような、近代的でケミカルな香りだった。
ビューティ近藤も、うっすらとペコ吉が考えていることと共鳴したようだった。
嬉しそうに語るスズキの顔を見ていると、言い出しにくかったが、心の中にしまったままにしておくことができないペコ吉が、するりと質問した。
「キンモクセイの香りって、危険だよね」
「え? 危険? セクシーすぎるとか、危険なオンナとか、そういう感じ?」(スズキ)
(近藤&ペコ吉 全力で)「違うよ。 一歩間違えればトイレの芳香剤っぽくなるかもって意味だよ」
「…トイレの芳香剤?」
「サワデーみたいな香りってことだよ」
「…一瞬でも想像もしなかった…」
「……キンモクセイの香りだよ…?」
「でも、ほら、本物のキンモクセイの香りみたいって、クチコミに書いてあるよ」

信じる者は救われる-----

ペコ吉は、編集長スズキの真っ白で無垢な心を思った。
それに引き換え、灰色の脳細胞とドス黒い自らの心を哀れんだ。

一瞬でサワデーを想像した人間と、予想だにしなかった人間。

ピースフルな編集長スズキの選択には、一点の迷いもなかった。
歩く金木犀と聞いて、買った! と剛速球でストライクに投げ込んだのだ。
少なくともペコ吉にはできない選択だった。

サワデーと聞いてもなお、クチコミの内容や商品情報などをスズキは疑おうとしなかった。
極悪ネットショップ(だと勝手に思い込んでいる)に利用されたのではないか、と友人を心配する気持ちが95%くらい。残りの2%くらいが本当に良い香りでありますように、という祈り。その祈りよりもほんのわずかだけ多い割合で、サワデーだったら面白い……。悪いペコ吉が顔をのぞかせていた。


●awatenvouさんのランチ

そうこうしているうちに、awaenvouさんのランチの前菜のプレート、続いてスープが運ばれてきた。

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シャキシャキ新鮮な野菜にシンプルなドレッシング、人参のラぺ、キッシュ、ホタテのアヒージョなど、どれも丁寧な味がした。
ホタテのアヒージョは、添えられた薄切りのバゲットでうまみたっぷりのオイルを浸して堪能。長ねぎのポタージュも、濃厚でやさしくて美味しかった。

人参のラぺを食べようとして「あ!」
キッシュを口へ運ぼうとして「お!」
横にいるスズキは、前菜の段階ですでに数カ所、食べこぼしや食べ物のシミを作っていた。無垢な心と同じくらい真っ白なシャツについた小さなシミは、サワデーでありますように、とひそかに願うペコ吉の悪だくみを示唆しているのかもしれなかった。

すまぬ……。

メインの水菜とドライトマトとベーコンのパスタも、あっという間に完食。
見た目はシンプルながら、しっかり手をかけた一皿は、私たちの心まで満たしてくれた。

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お店の入口に並べられた焼き菓子たち目当てのお客様とランチ目的のお客様で店内がいっそう賑わってきた頃、お店を出た。


●歩く金木犀、その後

サワデー問題が気になる近藤とペコ吉の心の内をくみ取った編集長スズキは、3日後の日付で指定配達をしていたが、荷物の配達検索をしてみると、近くの営業所まで荷物が届いていることを知り、直接、受け取りに行くことにして、香りのレポートをしてくれることになった。

Web記事を書く立場からすると、サワデーであってもらいたいが、スズキのピュアなハートを思えば、複雑に揺れた。

数時間後、スズキからメッセージが届いた。

「大人な金木犀って感じ。本物の香水だったよ」

まだまだ世界は信じられるみたいだ。

腹黒いペコ吉にも、ひと筋の光が見えた気がした。

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伺ったお店
●awatenvou
静岡県駿東郡長泉町下土狩422-12

定休日 月曜、火曜
ランチ  11時~14時30分(13時30分L.O.)
喫茶   14時~19時30分L.O.
夜ごはん 18時~19時30分L.O.
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