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fika+

「日常とpoésie. 」 December

  「エモい」と言うと、いつも何それと笑われる。わたしは「今のよかったね、みたいな意味だよ」とか、てきとうにこたえている。 英語のemotional──「感情的な」という意味の形容詞──を由来とするスラングの「エモい」は、感情が動いたときや、哀愁的であるとか、趣があるとか言いたいときに使われるのが一般的なのだという。 日常における映画のワンシーンみたいな一瞬や、もう二度とないかもしれない機会、偶然がかさなって見...

「日常とpoésie. 」 November

 海外でほんとうにひとりになるのははじめてだった。 先月にした12日間のヨーロッパ旅行は、最初の一週間をベルギーにある友人宅で過ごし(友人家族とともにオランダにも旅行した。大好きなディック・ブルーナの故郷、ユトレヒト!)、ロンドンへ寄って帰る、というプランだった。 一人で行く旅先に、ロンドンをえらんだのには理由がある。十代のころ、行きたくてパスポートを取ったのに、さまざまな事情がかさなって結局行かれ...

「日常とpoésie. 」 October

 すてきなうたをうたうひとたちがいて、ときどきライブに行く。 わたしはそのひとたちを、公園で見つけた。 彼らはスリーピースのバンドだけれど、定位置が決まっていなくて、みんながうたをうたう。ギターボーカルとドラムが入れ替わったりもする。音楽にはくわしくないので専門的なことはわからないのだけれど、わたしは彼らの演奏を見て、ひとの身体が楽器のようであることを知った。のど。ギターの弦にふれる指さき。わたし...

「日常とpoésie. 」 September

 夜勤のある仕事をしていた時期があって、それは本当に短い期間だったのに、どういうわけか高い頻度で思い出すので不思議に思う。 二十四時間稼働しつづけている製菓工場ではいろいろな国のひとがはたらいていて、何か問題が起こって製造ラインが止まるたび、ものすごい勢いで何語かもわからない外国語が飛び交ったこと。(何を話しているのかはわからなかったが、それはたいていただのお喋りのようだった。)日本人のアルバイト...

「日常とpoésie. 」August

 さくっとした旅行に、よく誘われる。 さくっとした旅行というのは、現地集合、現地解散の旅のことだ。わたしの友人には、ばりばりはたらいて年中いそがしくしているひとと、そうでなくてのんびりしているひとがいるのだけれど、さくっとした旅行に誘ってくるのは圧倒的に前者が多い。彼らはおそらく、わたしが定職についていないことを都合よく思っているのだろう。月に何度か旅商いのようなことをしながら、いつでもどこにでも...

「日常とpoésie. 」 July

 二十歳のころから四年ほどお世話になった会社で、新しくオープンする店舗の内装を手伝ったことがある。   個人経営の古着屋だった。アメリカで買い付けた古着や雑貨をあつかう店で、オーナーは四十代の男性だった。DIYが得意な方だったので、内装は外注せずに自分たちでつくっていた。わたしは販売員だったので、既存店で接客や裏方など日々の業務を担当しており、実際に作業をおこなうことは少なかったが、ときどきペンキ塗り...

「日常とpoésie. 」 June

ジェラシーについて書いてください、とマイさんに言われた。マイさんというのはこのエッセーが載っているfika +の編集長で、はじまりの森をはじめとした静岡県のマルシェやイベントを企画・運営されている方だ。その依頼は先月、裾野にある興禅寺というお寺であったイベントでマイさんにお会いしたときにいただいた。わたしは快諾し、「思いあたるふしがいっぱいありますね」とわらったのだけれど、それから一ヶ月、締め切りが差し...

「日常とpoésie. 」 May

旅先で遅く起きて、朝ごはんを食べに歩いてでかける。わたしはこれがやりたくて、旅先には街をえらぶ。大きな街でも、小さな街でもいいけれど、宿から歩いて行かれる距離に喫茶店や公園や、郵便局やパン屋さんがあると嬉しい。特に好きなのは、次の日のことを考えずにお酒をたくさん飲んだ日の翌朝だ。時間がたくさんあって、予定がなくて、何かをしても、しなくてもかまわない。旅の愉しみかたとして人に話すには少し地味かもしれ...

「日常とpoésie. 」 April

佐藤真由美さんの短歌に、こんなのがある。「さくらさくら 去年誰かと見たさくら 知らんぷりしてまた見るさくら」 彼女の著書「恋する短歌」に、これから親しくなりたい相手にお花見をしませんかと誘われ、連れて行かれた場所が十年前に当時の恋人と一緒に来た穴場だった、というショートストーリーとともに掲載されたこの歌のことを桜が咲くたびに思い出すのは、わたしだけではないだろうと思う。 二十代半ばで、独身で、女。...

日常とpoésie. March

先月、素敵な旅をした。わたしは素敵な旅をすると、だれかと一緒にいたくなる。  今回はひとり旅ではなかった。遊び友達の一人が有給をとってベトナムに住む友人に会いに行くというので、ついていったのだ。2月初旬のベトナムはテトとよばれる旧正月で、毎日お祭り騒ぎだった。わたしたちは、ベトナム人の友人とその家族のお正月に混ぜてもらい、お祝いのごちそうを食べたり、南の島へ小旅行に行ったりした。ココナッツボートに...

日常とpoésie. February

誕生日の前の週、職場にバースデーカードが届いた。ある友人からだった。 彼女とは以前よく遊んだが、月日を経て環境が変わった今、気軽に会うことはかなわなくなってしまった。けれど明るくてコーヒーが大好きな彼女はもう長いことスターバックスコーヒーではたらいていて、毎年欠かさず誕生日にスターバックスのドリンクチケットを送ってくれるのだ。 わたしはスターバックスが好きでよく行くのだけれど、ドリンクのカスタマイ...

「日常とpoésie. 」January

日常とpoésie.  旅する古本屋、なんていうとかっこよくきこえてしまうけれど、旅をしているのはわたしだから、「paquet.」はわたしの行くところに必ずついてくるかわいい犬みたい。 日本中を旅しながら短期の派遣スタッフとして観光業に従事するわたしは、古本とがらくたと犬みたいなお店を連れていろいろな街を訪れては、休日限定の青空古本屋さんをひらいています。 ひとつの街に滞在するのはせいぜい2、3ヶ月だし、スーツケ...